2026年2月、生まれ育った沖縄の地を飛び出してラトビア・ヴィルスリーガ(1部)FKトゥクムス2000に期限付き移籍し、新たな挑戦をスタートさせた幸喜祐心選手(宜野湾市出身)。直線距離にして約8000㌔離れた東欧から届く本人撮影の写真やコメントを通して、等身大の成長を「祐心レポート」として定期的にお伝えしていきます。初回は期限付き移籍への思い、ラトビアでの生活にフォーカス。引き続き、沖縄から世界で一人奮闘する幸喜祐心選手の応援をよろしくお願いいたします。
プロ3年目。このタイミングでの挑戦に、一切の迷いはなかった。「この2年間、サッカー面やメンタル面での成長を感じることができず、とても悔しい思いをしてきた」。FC琉球U-18から二種登録でのJデビューを経て、トップチーム昇格初陣となった2024シーズン開幕戦。いきなりのプロ初ゴールで鮮烈なデビューを飾ったが、以降は中盤の激しいレギュラー争いに揉まれる日々が続いた。2年目の昨年は12試合の出場にとどまり、「もっと成長するために、環境を変えなければ」という思いが募るころ、クラブがFKトゥムクス2000と育成業務提携を結ぶ。「県出身選手として、自分がサッカーで沖縄を盛り上げたい」という気持ちは揺るがない。だからこそ、沖縄という「島国」で技術を磨き続けてきた20歳にとって、今回の移籍は願ってもない好機だった。
1月16日、百年構想リーグ開幕前のトレーニングマッチを終えたばかりの会場でチームメイトへ別れを告げると、翌日の便で同期の庵原篤人選手らに見送られ、沖縄を発つ。異国の地でこれから待ち構える苦労も、葛藤も、すべてが成長の糧。「ただただワクワクしている」。約半年間にわたる、武者修行の日々が始まった。


リトアニアやエストニアと並ぶバルト三国のひとつで、バルト海に面して連なる歴史的建造物や豊かな森林、湖が魅力のラトビア共和国。リーグはプレシーズン期間中のため、週2回の二部練習でみっちり戦術の落とし込みや筋力トレーニングに打ち込む毎日だ。「日本に比べて、サッカーの考え方や球際の迫力が全く違う。寄せも速いし、とにかくみんな遠慮なく突っ込んでくる」。慣れ親しんだこれまでの環境からの変化に食らいつくのは簡単ではないが、言葉には充実感がにじむ。2月半ば、隣国エストニアにて行われたトレーニングマッチで早速1ゴール。昨季エストニア1部リーグ2位のクラブを相手に2-2の引き分けと、チームも個人も調子は上々だ。

“外国人選手”として、周囲との積極的なコミュニケーションも欠かせない。あえて事前に知らされることなく乗り込んだ寮の同部屋は、イギリス人のケニー選手。公用語はラトビア語だが、「下手くそな英語でなんとか僕なりに単語を組み合わせてコミュニケーションをとっています。伸びしろしかない(笑)」と試行錯誤を重ねながら理解を深めている。オフの日にはチームメイトと首都リガへ買い物に出かけたり、カフェに行ったり。温暖な沖縄の気候とは打って変わって、気温は毎日−10℃前後、朝方や夜には−20℃近くまで冷え込むこともあるというが、降り積もる雪景色すらも新鮮だ。




「日々とてもいい経験ができており、チームには本当に感謝しています。半年後、より強くなった姿を皆さんにお見せできるように、パワーアップして帰ってきます!!」
届いたコメントの最後には、力強い決意が記されていた。チームが百年構想リーグの戦いを終えたころ、どんな顔つきで帰ってくるだろう。26/27シーズンでのJ2昇格を見据えるクラブの飛躍は、沖縄からの応援を力に東欧でたくましく成長する姿の先にある。
FC琉球は2026年2月より、ラトビア・ヴィルスリーガ(1部)所属のFKトゥクムス2000と育成業務提携を締結。2028年1月までの2年間にわたり、FC琉球に所属する若手選手が毎年1名以上、FKトゥクムス2000へ期限付き移籍を行います。幸喜祐心選手は本提携の第一弾として同クラブへ期限付き移籍し、挑戦を続けています。本提携により、海外でのトレーニングや公式試合を戦い、厳しい競争環境で経験を積むことで、加速度的な成長支援を図ります。またスカウティング部門の連携や交流を図ることで、日欧のネットワークを共有しながら、両クラブの更なる発展を目指してまいります。

幸喜 祐心/Yushin KOKI

■生年月日:2005年5月5日(20歳)
■出身地 :沖縄県宜野湾市
■身長/体重:177cm/65kg
■ポジション:MF
■選手経歴:大山SC-FC琉球U-15-FC琉球U-18-FC琉球
■Jリーグ記録
| J1合計 | リーグカップ合計 | J2合計 | J3合計 | ||||
| 試合 | 得点 | 試合 | 得点 | 試合 | 得点 | 試合 | 得点 |
| 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 32 | 2 |