FC琉球を運営する琉球フットボールクラブ株式会社は、本日定時株主総会を開催し、第9期(2021年度:2021年2月1日から2022年1月31日まで)の事業報告及び決算報告が承認されましたので、お知らせいたします。
2021シーズン、J2リーグFC琉球は最終成績勝点65(18勝11分13敗)の9位となりました。
皆様に多大なるサポートを頂戴し、J1昇格も視野に入るほど躍進したシーズンとなりましたこと改めて御礼申し上げます。
2021シーズンは、初戦ホームvsジュビロ磐田戦で勝利を収め快進撃の口火を切り、チームは好調にスタートを切りましたが、全国的な新型コロナウイルス感染拡大と沖縄における状況悪化に伴い、5試合連続無観客試合が続き、後半にかけては苦戦を強いられました。
クラブの経営におきましては、無観客試合に伴う入場料・グッズ販売の直接的な減収のみならず、4ヵ月もの間ホームにて無観客が続いた結果、制限緩和後も観客動員が振るわず、スタジアムから皆様の足が遠のき、2020シーズンにも増してコロナの影響を受けたシーズンとなりました。
前シーズンより続くコロナ禍は、責任企業を持たない地域型クラブにとって大きな逆風であり、当クラブもまた赤字を余儀なくされましたが、売上は前期より14%増となり、また厳しい状況下にあっても将来を見据えアカデミーの充実やファン層拡大のためテレビ番組(シンカTV)放映など投資を行い、社会貢献活動を通じた地域への取組、ビジネスクラブ・ファンクラブ立ち上げ、クラウドファンディング実施、と危機対処と長期的視点の取組を並行して実施し、正念場を乗り越え成長の礎となったシーズンと考えております。
今後ともFC琉球へのご支援、ご協力ならびにご声援をよろしくお願いいたします。
【事業報告】
総売上高に関しては、641百万円と前年対比で81百万円増加となりました。部門別それぞれの内訳を見てみると、スポンサー収入255百万円、入場料収入36百万円、物販収入43百万円でした。コロナ禍におきましてパートナー企業の方々には多大なご支援を頂戴し、引き続き前期を上回るスポンサー料をいただけた事に感謝の念に堪えません。パートナーの数も前年度192社から232社に増え、クラブが着実に浸透してきていることの証でもあります。入場料収入並びに入場者数が大いに売上を左右する物販収入においては、平常復帰時の集中した集客策などが功を奏し前年と比べシーズン合計で1万人多い観客の皆様にスタジアムに足を運んでいただき、収入として前年からは大幅な増加となりましたが、コロナ情勢の平常化を見越していた予算に対しては大幅に下回る結果となりました。
一方、トップチームが勝点を積み上げJ1昇格が具体的視野に入る状況下で夏の補強が急務となった事や、選手スタッフ勝利給の積み上げによる支出増に加え、長引くコロナへの対応にかかる諸々のコスト(アウェイ先ホテルでの個食対応等)が想定を超えて発生するシーズンとなりました。また、先を見据えた長期的視野に立った施策も並行して行った結果の赤字計上となりました。
2020年度は「クラブ存続のための完全ディフェンス」、2021年度は「ディフェンスから長期的成長を」の経営でした。2022年度、まだまだコロナ禍の情勢でありますが、八重瀬町の専用練習場整備等着々と歩を進めつつ、黒字着地に向け絶えず努力してまいる所存です。
※10万円未満四捨五入
【資金調達・財務の状況】
当事業年度におきましては、コロナ禍を乗り越える安定した財務基盤を構築する目的で、115.5百万円の第三者割当増資を実施しました。また、前事業年度にて行った第三者割当増資並びに「新型コロナウイルス感染症対応資金」としての金融機関からの融資もあり、期末において流動資産359百万(内、現金及び預金199百万)とコロナ禍においても安定した財務状態を保っております。
【2022年度の取り組み】
新型コロナウイルスの影響が継続しており、引き続き集客面では苦戦を強いられる状況です。そうした中で、FC琉球創設以来の悲願であったクラブハウス・練習拠点グラウンドが八重瀬町具志頭運動公園に今年度6月完成として進んでおり、7月から新しい練習環境でさらなるチーム強化が図れる予定です。次は那覇市奥武山公園内でのJ1規格サッカー専用スタジアム実現に向けて積極的に行動する所存です。
また、昨シーズンに引き続きタイ出身のシティチョークパソ選手や、新たにヴェトナムのサイゴンFCからも2選手の受け入れが完了し、アジア戦略を積極的に展開していきます。
メインスポンサーであるGMOコイン社との協業による独自暗号資産FCRコインの発行(IEO)プロジェクトも進捗し、国内のスポーツ団体としては初となるIEOによる資金調達を実施致します。合わせて公式マスコットジンベーニョを活用したNFT展開も進めており、新たなファン層、および資金流入を見込めることとなります。スポーツ×Web3トレンドを代表するプロジェクトとして施策を展開していきます。
さらに、執行役員制度導入によるフロント強化や、コロナ禍で足が遠のいてしまったファン・サポーターを呼び戻すためのホームゲームイベントの充実・エンターテイメント化などを実施し、引き続きの増収及びクラブ経営の黒字化を目指します。
【役員人事 (4月28日付)】
・取締役
代表取締役会長兼社長 倉林 啓士郎
代表取締役副社長兼スポーツダイレクター 廣﨑 圭
取締役(社外) 仲本 豊 (株式会社仲本工業 代表取締役社長)
取締役(社外) 白木 享 (株式会社プロトソリューション 代表取締役社長)
取締役(社外) 兼スタジアムアドバイザー 廣井 康士郎
取締役(社外) 今井 英次郎
取締役(社外) 藤崎 弘章
監査役(社外) 上原 仁
・執行役員(新設)
常務執行役員事業本部長 荻原 直樹
執行役員業務管理部長 植村 侑太